処刑生徒会長11

まっかつ  2007-08-16投稿
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翌日―\r

早めに登校していた梅城ケンヤは会長室で朝食を取っていた。

そこへ―\r

コンコン

ノックの後にドアが開くと―\r

『私です。会長』

一人の女子生徒が入って来た。

そして、ご飯に味噌汁、鮭の切身、納豆にお茶と言う実にオーソドックスな和食が広げられている机の前に進むと―\r

『これは、お食事中でしたか―申し訳ありません』

彼女はそう気を使って見せた。

『ああ、いや構わんよ。あいにく君の分は用意してなかったが―まあ楽にしてくれ』

梅城ケンヤはハンカチで口を拭いながら、彼女に向かいのソファーを進めた。

巻き上げられたブラウンヘアーに青い目。

日本人離れをした美少女だが、確かに彼女はハーフだ。

港リリアはこの学校の副会長―ナンバー2だ。

先の選挙では惜しくもケンヤに敗れ、会長にこそなれなかったが、有能にして信頼出来る補佐役として、【梅城政権】内でも重きをなしている。

若手だらけの現生徒会で数少ない2年生として、梅城ケンヤにもどしどし諌言し、時として激しく意見を闘わせる事もある。

だがそれが生徒会の腐敗・会長の独走を防ぎ、良い意味で緊張感を保っている―\r

一般にはそう思われていたし、改革を掲げるケンヤからしても、オープンなイメージを保つためには確かに彼女みたいな幹部は必要だった。

間もなく朝食を平らげた生徒会長は、お茶をすすりながら、

『おはよう。今日は早いねえ。報告かね?それとも請願かな?』

副会長はソファーに腰を下ろし、出されたペットボトルを手に持ちながら、

『報告です。それも朗報です』

屈託のない笑顔を見せた。

『まだ非公開ですが、昨日の処刑の後で実施されたアンケートで、会長の支持率は95%を越えました』

この学校始まって以来、これは最高記録だ。

だが―\r

『いや、困ったなそいつは』

ケンヤは片手を額に当てて嘆いて見せた。

『まるで独裁者じゃないか。強制した分けじゃないのに―もう少し反対意見も出ないと、健全な生徒会運営は出来ないよ』

事実独裁者だ。

そして、これからますます独裁者になって行くつもりだ。

だが、物事には順序がある。

今ここで本心を、そして計画を明らかにする分けにもいかず、ケンヤはせいぜい呑気なお人好しを演じるしかなかった。

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