何で男って浮気すんの?
『私じゃ満足出来ないから?』
梓に聞いた事があった。
『違う…』
それ以上何も答えてくれなくて、疑問だけが残った。
「松本さん!」
「へ…!?」
不意を突かれて振り返ると三浦さんが書類を手にして立っていた。
「どうしたの?ボーッとして」
「あ、や…ちょっと寝不足かな〜…なんてっ」
気付いたらコピー機の前でつっ立ってたらしい。
「三浦さんも、コピーですか?」
「うん。それ、貸して?」
そう言うと私の書類も一緒にコピーしてくれた。
「すみません…」
受け取って三浦さんを見上げる。
「悩み事?寝不足だなんて」
「へへ…」
笑って誤魔化す私。
「課長、人使い荒いからね。特に松本さんは目を付けられてる感じだし…」
へ?
「僕で良ければ相談に乗るし、いつでも言いにおいで」
何か違うけど、ま、いっか(笑)
「はい…。ありがとうございます」
「じゃ、頑張って」
ほほ笑みながら肩をポンッ。
(わぁお…スキンシップ?)これが課長だったら最悪だけど、三浦さんだから意識しちゃう…。
って!
ダメダメ、行ってしまう!
「三浦さん!」
彼が振り向く。
「今夜、付き合っていただけますか!?」