梅城ケンヤはふと思い付いた。
―そうだ。
ナツを死なせたイジメグループに正義の鉄槌を下す良い手を思い付いたぞ。
梅城ケンヤは副会長に尋ねた。
『そうそう…間もなく我が校のサマーフェスティバルだね』
『ええ、もうすぐ一学期終了ですから』
Z区立第三中学校恒例のそれは学園祭だった。
―そうだ。
それを使おう。
一任期、本選挙のある二学期十一月までかかるかと思っていたが、案外早くに決着が付きそうだ。
多少無理をする事になるかも知れないが…
否。
有権者―本校生徒の目を反らす位なら簡単か。
連中が求めてるのは目先の安全と過激なショーだけだ。
だからその二つを提供さえすれば、幾らでもコントロール出来るさ―\r
『あの…会長?』
暗い打算を脳裏に巡らす梅城ケンヤに、港リリアはソファーから怪訝そうな目を向けた。
『ああ、いや、済まない』
あぶないあぶない。
この女もこれで中々鋭いからな―\r
ケンヤは自戒しつつ居住まいを正し―\r
『そのフェスティバルだが、僕なりに少しアレンジして良いかね?』
梅城ケンヤはいよいよ、復讐計画の第一弾を始動させた。