ヤス#132
「えっ?そうなの?香織、迷惑?」
「ううん。迷惑だなんて…うん。私もやっちゃんが好き!」
「ほーら。やっちゃん、言ったでしょう?私達、やっちゃんが好きです」
「…はい、わかりました」
「あ、ずるい!わかりましただなんて。やっちゃんはどうなのよ」
ヤスは知らない間に窮地に追い込まれていた。
「どうって…どう言えばいいんだよ」
「決まっているでしょう。好きか…嫌いか…でしょう」
流石のヤスも参ってしまった。
「好きだよ」
そう言わざるを得ないだろう。
「じゃあ、証明して」
「どうやって証明するんだよ」
「決まっているわ。キスよ」
「そんな事、出来ないよ。二人一緒なんて」
「あら、キスくらいで怖じ気づくの?平井康生」
「怖じ気づいた訳じゃないさ…その内…な」
「いつ?」
「だから、その時が来たら…ね」
「それは、今よ」
ヤスは頭を抱えた。
「どうする?香織」
「あ、うん…私はOKです」
ヤスは再び頭を抱えた。