ただ、愛してるlove.9

きてぃ  2007-08-18投稿
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そう、あの頃―――。

――中学時代――




「あの子?」
「あの子だよねー?」
「あの子が大沢太陽の妹?」



入学して間もないのに、あたしは2、3年生の先輩に知られているようだった。

“大沢未来”
として知られたのではなく、
“大沢太陽の妹”
として知られていた。


新しくできた友達にも―。


「大沢未来です。よろしくね。」

「大沢って…!あの大沢?!大沢太陽先輩の妹?!」

あ〜あ〜まただ…

最初は、自分の兄が有名だと知ってなんだか嬉しかった。
入学して1日目だけね(苦笑
2日目からもう嫌になった。
みんな太陽太陽うるさい。
もう耳にタコ。

お兄ちゃんが有名だから、嫌なんじゃなかった。

みんな、みんな、みんな。
あたしとお兄ちゃんを比べるから。
家族、先生、先輩、友達までもが…

一時期家族とも遠かった。
心が繋がってなく遠かった。

お兄ちゃんのせいでこうなったのに…
なのに、お兄ちゃんのおかげで立ち直ることができたんだ…


「みきはみき。俺は俺。みきの良いとこはたくさんある。俺が知ってる。みんなまだ気づいてないだけ。…だから…だから、そんな追い込むな。俺がいる。みきが傷つかないように俺が守るから。な。」

いつになく真剣な顔で、両手であたしの肩をつかんで強く語りかけた。
いつもヘラヘラしてるお兄ちゃんとは思えなかったんだ。


あの時からかな…
お兄ちゃんがどんなにうざくても、むかついても、信頼できたのは。


でも、もう傷つくのはごめんだから高校では一応ひみつにしてるの。




辛かった過去。
けど、何か大きな物を手に入れた気がした中学時代――。

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