耳を掻き切るような金属音と共にディア=パノスは右の拳で武双龍焔獄の胸部をえぐった。
龍雅「…隊長…どうして…安い傭兵に身を落としたんですか…」
龍雅の目がその悲しみの深さを物語っていた。
武双龍焔獄はその場に伏した。
マクシミリアンは頭から血がながれていたが生きていた。
マクシミリアン「…なぜ…殺さなかった…貴様の腕なら…」
龍雅は即答した。
龍雅「…貴方からは殺気が感じられなかった。でもその理由は隊長がよく理解しておいででしょう」
マクシミリアン「…そうか…お見通しってわけか…」
龍雅「貴方が傭兵である以上任務の遂行は当然です。私はそれを廃除したまでです。任務がありますんでこれで失礼します」
龍雅は別れ際に一言。
龍雅「今度会う時は戦闘ではないことを祈ります」
マクシミリアンは走り去るディア=パノスを目で追い鼻で笑って返した。
マクシミリアン「成長したな…峰崎龍雅…やはりゲン中将の目に狂いは無かったということか…しかし…」
その時目の前に当然、ハーツが現れた。
ハーツ「おや?こんな所にプレミアムなストライカーが倒れていますねぇ!!ガイラー!!とどめを!!」
ハーツの後ろにダークフィアーが降り立った。
マクシミリアン「!?もしかして…こいつらが真打ちなのか?!」
ガイラー「おかげで楽に倒せそうだ」
ガイラーは薄ら、笑みを浮かべた。
マクシミリアンはこの時、絶望的なまでの生命の危機を直感で感じ取りコンソールを操作し始めた。
マクシミリアン(頼む!もう一度だけ動いてくれ!)
武双龍焔獄はかろうじて起き上がり、拳を構えた。
マクシミリアン(…相手を怯ませてその隙に逃げる!!)
武双龍焔獄は右の拳に渾身の力を込めた一撃を放った。
…しかし…。
鈍い金属音と共にダークフィアーは左手で武双龍焔獄の拳を受け止めた。
ガイラーは高笑いした。
ガイラー「凄い!!規格外スペックの獣人型ストライカーの拳をこうも簡単に…」
ダークフィアーは次の瞬間、右手を天にかざした。
すると一瞬にして黒い球体が頭上に現れた。
いつの間にか近くの高層ビルの屋上に避難しその様子を見ていたハーツは一言。
ハーツ「あれを修得したか…」