1時57分、演奏開始。
コンクールの一番緊張する瞬間は演奏しているトキじゃない。
私達の前の団体が演奏している間の舞台裏の時だ。
皆は静かに手を組んでいる……。
私は震えが止まらない。
私達の学校は決して上手い学校じゃない。
ただ、皆であの舞台で演奏できればいいんだ。
私達の出番。
重そうな分厚いドアが開けられる。
舞台は少し薄暗い。
ヒノキが香る。
椅子に座り、先生を見る。
先生が指揮をあげる――--
ここからの記憶はハッキリは無い。
覚えてるのは……
ソロは上手く吹けた。
それと、
誰かの何かが落ちた音……
バチだ。
バスドラムのバチが落ちた音だった……。
その瞬間、私は我に返る。
舞台の照明がやけに眩しいと、その時思った。
照明が眩しすぎて、客席なんて見えなかった。
効きすぎたクーラーが更に私を震えさせた。
きがつくと私達は演奏を終えて、立ち上がっていた。
後悔なんてしないが、流石にあの音はいけないだろう………。
そんな事を思いながら、写真を撮る。
結果………。