歪む景色。
思いだしたくもない記憶。
羽はむしられ
魔力は貧られ
体中傷だらけで
ぼろきれのようになってしまった彼女。
目の前が真っ赤になった。
彼女に触れた悪魔達は全員、葬った。
すごい怪我をしたけど、心のほうが痛かった。
心が痛むわけないのに
シャーナ。
もしかして俺は君に恋をしてたのかもしれないね。
今でもくだらないって思うよ。
人間達を見てるとさ。本当にくだらないって思う。
そんなくだらないモノになった俺は、もっともっとくだらない。
それに
もういない君を想って何になる?
でも
馬鹿馬鹿しいことに俺は今でも君を――――
「きゃあ」
目覚めた俺が1番最初に聞いた声―――悲鳴。
随分懐かしい夢を見た。
もうずっと昔。
昔のことだ。
ぼんやりと自分の手を見る。
汚らわしい血で
真っ赤に染まった手。
昔のことだ。