なぁ、頼むよ神様。俺からあいつをとらないでくれよ。マジでなんでもするから。あいつが生きていればいいんだ。それだけなんだ。だから頼むよ、俺からあいつを・・・・・・
ねぇ、健二?
ん?
アタシね、もう一回秋が来たら死んじゃうんだって。ぇ・・・
アタシね、冬が来て春が過ぎて夏が終わっちゃうと死んじゃうんだって。ゴメンね、もうちょっと健二と居たかったけどムリみたいだよ。
言葉が出てこなかった。予想はしていた。けど、なんで、なんで後一年なんだ!もうこいつと雪も桜も花火も一回しか見れないのか!嘘だろ!なんでこいつなんだよ!なんでこいつが全てを奪われなきゃいけないんだよ!
アレ?健二泣いてんの?アタシが居なくなるのがそんなに寂しいの?
当たり前だろ!なんでそんなに笑ってられんだよ!会えなくなんだぞ!辛いに決まってんだろ!
なんで・・・なんでそんな笑うんだよ。辛くないのかよ? 辛いよ。健二と会えなくなるのは物凄く辛いよ。でもね、健二にはアタシの笑ってる顔憶えてて欲しいんだよね。
沙希・・・・
だからさ、こうやって泣かせてよ。
ただ、抱きしめていただけだった。沙希の顔を見ようともせずに・・・・