なんでだろう?
会いたくなる
気持ちを押し込めても止まらない
ハリー
会いたいよ
サラは薄汚れた空気に咳をした。眠らない街《ハルシ》。6年前、16の時に初めて彼女はこの街に来た。
街はビルだらけ人種も様々、そして昼はもちろん夜は犯罪だらけ。次から次へと悪党がわいてきた。
そんな街にサラは16の時、カバン一つでやってきた。目を閉じればあの頃の自分がいる。短くきった薄い黒い髪、黄色がかった肌にブルーアイズ…。大嫌いだった。
「かわいいよ」
ふいに蘇った言葉。
ハリーが誉めてくれた。
サラは思った。
会いたいと。