社会通念は崩壊し、教育も治安も悪化の一途をたどる20хх年・日本―\r
学校は無法地帯と化し、それに対処すべく、各校の生徒会には軍事警察権が付与され、生徒会長達は独自に死刑まで執行出来る強大な力を振るっていた。
ごく普通の野球少年だった梅城(うめじょう)ケンヤは、幼なじみの従姉妹・ナツをイジメによって失い、復讐を決意し地元のZ区立第三中学校に入学。
おりからの不祥事で行われた臨時選挙で生徒会長に当選し、イジメグループに対する断固とした厳罰路線で絶大な支持を集める。
今や校内に逆らう者なき強力な政権を確立した彼は、いよいよナツを自殺させたイジメグループを破滅させるべく、ある計画を始めようとしていた。
だが、不良グループから彼の命を助けた私立k学院会長・九重(ここのえ)モエに代表される穏健派は、死刑を乱発するケンヤのやり方に異議を唱える等、その独裁性に不安を抱いていた。
彼らの説得・勧告は将来の危険要因になるかも知れないと考えつつも、しかし、ケンヤの決意は揺るがなかった。
そして、イジメグループの殲滅のみに留まらない彼の抱く恐るべき構想の全貌に気付く者は、この時点ではまだいない。
そうしている間にも、第三中学校の前期学園祭・サマーフェスティバルの日取りが、目前に迫っていた―\r