私は今、三浦さんと一緒に会社を後にしている。
(…早まった!?)
誘ったものの何を話せば良いのやら…。
三浦さんはすっかり悩み事だと思い込んでるようだし。
「パスタの美味しい店知ってるから、そこで話そうか」
緊張している私に、気を遣ってくれている。
「パスタ、嫌いかな?」
「いえ!大好きです」
本当は、焼そばの方が好き…(汗)
私は三浦さんに連れられて、高そうなパスタのお店に…。
入る時もちゃんとレディーファーストで、きっと育ちの良い坊っちゃんなんだなと思わされた。
注文した料理がテーブルに並べられ、私はフォークを構える。
目の前には微笑みを絶やさない三浦さん。
「いただきます…」
下品な食べ方にならないよう注意を払って口に運ぶ。
「おいしー♪」
私が食べてるのはカルボナーラ。
まろやかで、しつこくない!
「でしょ?」
三浦さんが笑う。
目で追ってたけど食べる姿まで様になるなぁ。
「悩み事なんて、吹っ飛んじゃいますね!」
私が冗談っぽく笑うと、急に空気が変わった。
「本題に…入ろうか?」
ゆっくり見据える三浦さん。
「あ、あの実は…」
悩んだ結果、私は梓の事を切り出していた。