「サムは三刀の中で誰が一番強いと思う?」
「やっぱり“空斬り”だろー。“空斬りの桜”…憧れるよな…」
サムは愛刀“木葉丸”を鞘にしまうと、空を見つめた。
「ライは?誰だと思うよ?やっぱり空斬り?」
「いや、俺は“死神”だな…」
「げ…夜春かよ…ありゃぁ悪魔だぜ…」
サムが軽蔑を向けると、ライは愛刀“雲鳴”を前方にかざして、刀身を見つめながら言った。
「悪魔だろうがなんだろうが、死神は最強さ…強さの中にに情けはいらない…て感じでさ……さて、そろそろ行こう。」
腑に落ちない表情のサムを後目に、ライは立ち上がってさっさと歩きだした。
「死神ねぇ…」
森の中をしばらく歩くと、案の定、出くわした…山賊だ。汚いなりの大男が7人…武器は色々だけど、強そうな奴はいない。
「ジャンケン…」
『ポン!』
「しゃあ!頑張れよライ!」
「ちっ…」
ライは、雲鳴を鞘から抜くと、ライの故郷に伝わる“蛇禅流”独特の低い構えを見せた。
「なんだ?ガキ…」
大男が四人、草むらに倒れた。後の三人は一目散に逃げていった。
「三刀の一億分の一だな…」
「いや、一兆分の一だよ…」