自分で、斬り刻んだ腕の傷が、随分、昔の事となりました。
だけど、貴方はいつまでも哀しそうな姿をしています。
「もう心配しなくて大丈夫よ」と、笑っても信じようとしません。
「どうしたら、信じてもらえるかな?」と、問かけても返事がありません。
哀しそうな姿のままです。
次の日も、問いかけました。
この日も反応がありませんでした。心が折れそうでしたが、『大丈夫』だと自分に言い聞かせ、哀しそうな姿にそっと寄り添いました。
その次の日も、問いかけました。同じように反応はありません。哀しそうな姿のままです。「もしかすると、原因は他にあるのかも」と思い、「どうして、そんなに哀しそうなの?」と聞いてみました。
そうすると、ほんの少しだけ、表情が動いたような気がしたのです。
とても嬉しくなり、それから色々な事を話し始めました。
それは、長い間続きましたが、いつもの時間になると、深い眠りについていきました。