Reborn ― 2005・3

朝倉令  2006-03-11投稿
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「んーっ、そおだね…」

私は生返事をすると、テスト範囲をまとめたプリントに目を落とした。

  今朝、夢に出てきたもう一人の私が『しおり』って言ってたよね?………

授業は頭に入らず、素通りしていった。



休み時間、名刺のアドレスにメールを打ってみる。

文面〈おはちゅ。 お向いの山内由美だよお。朝の話わどゆこと? メエルよろ〉
すぐに返信がきた。

文面〈今朝はゴメンね。 少し尋ねたい事があるから、放課後迎えに行っていいかな? OKならメール返してくれるかな?  Rei〉

妙に興味を引かれていた私は、速攻で『OK』と返信しておいた。




「すっげ!マセラッティじゃん」

校門の近くまでクラスメートの正木優奈と喋りながら歩いていくと、男子達の声が聞こえてきた。

ダークカラーの車を囲む様に、オーナーらしき男性と学生服の男の子達が歓談している光景が見て取れる。
 私に気付いた男性は、笑顔を向けてくる。令さん?

「や、学校まで押し掛けて申し訳ない。 これから時間、大丈夫かな?」


「優、ゴメンね〜っ、先約アリだったんよ」

助手席の窓を開けて貰い、あっけに取られた表情の優奈に謝った後、ちょっぴりHなムードの内装に包まれたまま、私は校舎を後にしていた。


 ……変な事されたりは… しないよね?

外観とはうらはらの、超豪華な内装に囲まれた私は、ほんの少し後悔していた。


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