ドアが開く。
その瞬間、空席の奪い合いが始まる。
私はここに人間の利己さ、その極みを見る。
体当たりよろしく、人並みをかきわけて空席にありつこうと必死になる様は実に情けない。
あまつさえ、降りる人がまだいるというのに乗ろうとするのはいかがなものだろうか。
お腹のあたりが白とは真逆な私は、フライング乗車しようとする輩に対し、決まって蹴りをお見舞いする。
無理をすれば痛い目を見るのだという説教だ。
というか普通にムカつく。
だから私は慌てない。
空席にがっつかない。
座れなくてもいいや、くらいの気持ちでいた方がいい。
必死にくらい付いた結果、座れないとなれば、
その悔しさ、やるせなさ、身勝手な怒りはいずこへかゆかん。
徒にストレスをためるだけ。
空席にがっつく人に限らず、落ち着きのない様というのは
百害あってなんとやら
イケてないったらありゃしない