あたしの視線に気付いたミカさんが、にっこり笑うと山田とあたしたちに近づいてきた。
真紀とさっちは、2人でどこかに行ってしまった。
「悟が奏ちゃんに、話があるんだって。」
そういうと、ミカさんは真紀のお兄さんのところに・・・。
「あの・・・。さっきは、ごめんなさい。台本通りとはいえ、ひどいこと言ったって。」
山田があたしに、頭を下げた。
「気にしないでください。友達みんなが、考えてくれたサプライズですから。」
あたしは、作り笑いした。
山田はほっとした顔して、あたしに笑いかえしてきた。
忘れよう。謝ってくれたし。
ファーストキスのことも、結衣さんのことも。
「みんなー!荷物運んでー!」
ゆかりさんの声が、玄関から聞こえてきた。
あたしは、今日は主役ということで荷物運びは免除に。
ソファーに座ろうとしたら、しーちゃんが寝ていた。
「健二、ずっと寝不足みたいだから。寝かしてやって。」
「わかったよ、福城。」
しーちゃんはしあわせそうに、寝息をたてて寝ていた。
あたしはしーちゃんの代わりに、荷物を運んだ。
何時間か経って、ミカさんとゆかりさんは仕事に行ってしまった。
真紀のお兄さんと山田と真紀は飲み物の買い出し。
さっちと福城は、コンビニに携帯の使用料を払いにいった。
あたしと寝ているしーちゃんは、真紀の家でお留守番。
みんな、いなくなちゃった。
しーちゃん、起きないかな?
あたしは、ソファーで寝ているしーちゃん顔をじっと見ていた。
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