俺のテストの氏名の欄には児玉 優良(こだま ゆうり)と書かれている。
まあ、もちろん書いたのは俺だ。
自分のテストに人の名前を書くやつは普通いない。
まあ別に無理に覚えておけとは言わないが、頭の隅くらいには入れといてほしい。
一応主人公だからな。
まあ、主人公と言っても別にたいした男でもなく、成績もいいわけでもないし学校で目立つわけでもない。
特技といえば……っと言われても思いつかないくらいの男なわけである。
まあこんな俺でも別に自分を嫌いなわけではない。
もう少し顔がよければ等は思ったりするが、整形しようとも思わないし、別に整形するほど不細工なわけでもない。
まあカッコイイなんていったらそれはまた別の話しだが。
……大分話しがそれたが、つまり別に誰かと入れ代わりたいと思うほどの卑屈な人間じゃないってことだ。
「柊 朝日(ひいらぎ あさひ)さん?」
……いきなり大島先生が朝日に話しかけている。
柊 朝日とは俺の前の席の女だ。
実は幼なじみで家もお隣さんだ。
昔はよく遊んだが今は目があっても話さないくらいだ。
……まあ異性の幼なじみなんてそんなもんだ。