それにしても朝日は一言喋らない。
寝てるのか?っと思い前をむいたら前にいるやつは同じクラスの郷田(ごうだ)だった。
あり?席替えしたっけ?
「聞いてますか?柊さん?」
またしても返事はなかった。
しかも何故かはわからんが俺の方を向いている。
これじゃあまるで。俺が朝日みたいじゃないか。
そう思った瞬間に心臓がドクンっ!となった。
それと同時に後ろのやつからコンっ!と椅子を蹴られた。
……しまった!
「柊さん!?聞いているのですか!?」
「は、はい!なんですか…?」
すると先生はまるで宇宙人を見るかのような目で、
「あなたの名前は柊 朝日でしょう?……なぜ児玉くんの名前がかいてあるのかしら…?」
……しまった!
クラス中がざわめいた。
俺はどう言い訳をしようかと悩んだ。
うーん………よし!これしかねぇ!
「答えなさい!柊さん!」
「すみません先生!俺……じゃなくてワタシ実は児玉くんと付き合ってるんです。
……それで彼を思いすぎて気がつかぬうちにこんなことに……」
クラスは大騒ぎ。
……不幸中の幸なのが、すぐに終業のチャイムが鳴ったことだった。