壱 話
とあるバンガローに泊に行った時のことです… 私を含め男女9人は夏休みを利用してある知り合いからバンガローを借り、夏休み最後の週を過ごすことにした。
山奥にもかかわらず蝉一匹鳴いていない雑草で隠れた車道をゆっくり進んでいた。 国道なのにカーナビに出無い道なんてあるんだなぁ〜と思いながらバンガローを示す矢印を頼りにさらに奥に入っていった。友達の一人が携帯の電波が無いことに気付いたが山奥ということもあり誰ひとり気にはしなかった。少し道がひらけ10台ほど止められる駐車場があり私達の車をそこに止めた。
私達の車の他にこの場にふさわしくない一台の高級外車が止まっていた。私達はその車を横目に荷物を片手にしバンガローに続く腐りかけた木の階段を登った。バンガローまでの少しの道のりの間、私は何か不可思議な事に気付いた…。さっきの車の中に人が乗ってような…。でもボンネットとフロントガラスは苔だらけでここ数年走った形跡がないよなぁ…?気のせいかなと思い一番後ろから皆のあとに続いた。バンガローの部屋番号は005号。ドアと玄関前は意外にも綺麗だったドアを開けると…