「山内家に15年前生まれる予定だったお子さんは、死産になる運命だったものですから。 そこで詩織さんの遺体から再生に必要な情報をちょっと拝借して、ママさんにインプットした訳です。 で、本来、山内家に生まれる予定だった魂は、詩織さんの受け入れ準備が整うまであなたのお体を管理する事を請け負って下さいまして、たった今天使界に昇っていった所ですよ。
まぁ、これで私の出番は当分なくなりますからご安心を。 それでは、失礼」
それだけ言うと、クロガネさんは煙の様に消えていった。
「何かよォ、死神っていうよりも貧乏神くさかったんじゃねえか?ショボくて」
熊ちゃんの神を恐れぬ毒舌に、アタシは令と二人で笑い転げていた。