恋するセカンド・ガール

もぁい  2007-08-26投稿
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ほら、やっぱりだ。
あなたは私と肌を重ねた後、決まって携帯電話に手を伸ばす。
ただの待ち受け画面だと安堵の顔をして、メール受信の画面が出ていると眉をひそめるんだ。

理由は簡単だね。
あなたには愛して愛してやまない恋人がいる。
それは決して私じゃない。

「ねぇ。今日は泊まって行く?」

「あぁ……帰るよ」

「……そっか」

私はこの瞬間に、ある賭けを思い付いた。


「じゃあ、またな」

彼は服を手早く着ると私に背中を剥けて早口にそう言った。
いつもの私なら「またねぇ」と彼が見てなくても笑顔でそう言うだろう。

だけど今日は違う。

「ねぇ」

靴を履いているあなたの背中に私は小さく言葉をかけた。

「キスして…」

私がそう言うと彼は振り返り、目を見開いた。

「キス、して…」

そう言い、私はゆっくりと目を閉じた。
すると彼は小さな、小さな声で言った。

「………ごめん」

その言葉の後にパタンと扉の閉まる音。

私は目を閉じたまま、涙を流した。

そして部屋の中にある携帯電話を手に取り、泣きながら操作した。


「削除しますか?」

「はい」


私は泣きながら彼のアドレスを消した。
私の中の彼への恋が早く消えるようにと願いながら………。

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