一人ぼっちの私。
開けっ放しの窓から入る風が私の涙を乾かしていく。
心に穴が空いたみたいだった。
知り合ってからほんのちょっとしか経ってないのに、いつのまにかアルがいる光景に慣れていた自分がいる。
普通有り得ないけど、アル自体が有り得ない存在だからそういうものなのかもしれない。
「こんばんは、お嬢さん」
突然かけられた声。
「だれっ!?」
そこにいたのは
金髪碧眼の天使。
やばい
かっこよすぎ。
アルもかっこいいけど、こっちもかっこいい。王子様みたいな。
冷静に観察していたら
「質問に答えてもらってもいいかな?」
シカトしてしまった。
「あ・・・ごめんなさい」
「あんまり驚かないってことはやっぱりここなんだね」
「アルカディアという名前の紅い天使はどこにいるのか、教えてもらえるかな」
ぞっとするほど怖い顔で
金髪碧眼、銀の翼の
天使が笑った。