「由美ちゃん、いえ、『詩織さん』とお呼びした方がいいわね。 私たちは事務局の者です。
あなたにご迷惑をおかけしたお詫びに、詩織さんが愛する方と結ばれるまで私共でお世話する様に、クロガネのほうからも依頼がありまして。
とりあえず、式が滞りなく終わるまで山内家の家族として、今まで通りやっていきましょうね?」
アタシはただ呆然としていた。
パッフェルベルのカノンが演奏される中、アタシは新郎の令に囁いていた。
「何だか、アタシ達ってドラマチック過ぎて、マンガみたいね」
令はいつもの様に穏やかなほほ笑みを浮かべている。
「いや、それを言うなら事実は小説よりも奇なりってヤツだろ?」
END
この物語を、亡き妻に
捧げます……