エルフ?

沙莉  2007-08-30投稿
閲覧数[313] 良い投票[0] 悪い投票[0]

《君と一緒にいたあの頃、いつもそばにいてくれてありがとう。もう泣いたりしないからね。》





7年前…
私たち家族は田舎に建てた新しい家に引っ越した。初めて家に入った時は、家具もなんにもなくて、床もピカピカだった。
テーブルもなかったから、小さな段ボールの上にスーパーで買ったご飯を、5人が静かに食べたりした。

当時私は小学1年生で、なにもかもが新しくてワクワクして、まだ軽いランドセルを背負った。
学校に行くと知った顔ぶれ。私が通っていた小学校は、すぐ近くの保育園を卒園した人たちばかりだった。私もその保育園を卒園した一人だ。

担任の先生もとても優しそうで、ほっとして幼なじみの友達と一緒に重いランドセルを背負って帰った。

『ただいま〜!!!』

『お帰り。ランドセル重そう〜!!』

お母さんが玄関で待っていてくれたみたいだ。
リビングへ行くと、前住んでいた家の家具がきちんと並べられていた。


その日、父も母も仕事が終わり、椅子に座ってくつろいでいた。

『プルルルルル、プルルルルル』

この家に来て初めて聞く電話の音。
お母さんが出た。話を聞いていると、どうやらお母さんのお姉さんからだ。

『うそー!!!!ほんと!?』

急に大声を出したかと思うと、
『お父さん、犬あげるって言いようがやけんど…』

!?!?…でもどうせお父さんは許してくれない…

『ん??オスやったらかまんよ。』

えーーー!?!?!?
あんなに動物嫌いな父がその日に限ってなんでか許してくれた。
お母さんがオスはいるのか聞いてみると白いのがいるということだ。

『ちょっと待って。ねぇ、なんかいい名前ない??ノエルが産んだがと〜』

ノエルか〜…ノエル…………………エルフ…エルフ!!
『エルフっていうがは??』
私は突然頭に浮かんだ名前、『エルフ』はどうかと聞いてみた。

『あっ、えいね、それ!!』
結局犬の名前は『エルフ』に決まった。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 沙莉 」さんの小説

もっと見る

その他の新着小説

もっと見る

[PR]
体に嬉しい成分
スウィーツなお風呂??


▲ページトップ