北陽亜鶴は考えていた。
何故に物事は何もかもが全て面倒なのだろうか
「そろそろ買い出しの時期ね。
息するのも面倒くさいのに、歩いて人里まで行くのかと思うと‥‥鬱だわ…」
亜鶴は人里離れたちょっとした平野に建つ一軒家に住んでいる。
━━━此処は梦却籠。
永遠に終らない夢の世界。
永久に始まる事のない夢の世界。━━━
「よう亜鶴。買い出しか?今回は早かったな。」
現れたのは金髪の少女。
「あぁラフィ?早かったなって、一人分も増えれば、食料も其なりの速さで消費されるわ。」
ラフィと呼ばれた金髪の少女は、笑いながら、
「まぁ、病人だろ?仕方ないんじゃないか?私等にも責任はある。」
と言って呵々と笑った。
「冗談。悪いのは彼奴と貴方の二人じゃない!そうよ。貴方が買い出しに赴く可きだわ!」
━━何時もと同じく梦却籠には、今日もゆっくり時間が流れる。
「肆之佐、調子はどうだ?傷は治ったか?」
「応。一応は刀も振れようよ。フラウンと申したか。礼を言う。」
「いや、ラフィでいい。そっちの方が呼ばれ慣れてるからな!それに、礼なら亜鶴に言うと良い。
アイツが人の世話を見るなんて滅多に無い。」
━続く━