紅い天使はさっき出てったばっかり。
今はいない。
帰ってこないかも。
これをもうちょっと丁寧にしたのを彼に伝えた・・・はず。
私の頭はそれどころじゃない。
頭が痺れているようだ。
アルがいないことを知ると彼は小さく笑って・・・・笑って・・・
気付いたら彼の顔が目の前、唇にやわらかいもの。
「それじゃあ、失礼するよ」
そう言って窓から出て行った。
キスされた。
胸がどきどきして顔が熱くなってくる。
小さく笑った彼の顔が脳に刻まれた。
「ジュリア?」
突然頬に冷たいものが当たる。
「アル・・・」
いつのまにか帰ってきてたらしかった。
紅い羽が目に入って彼の銀の羽を思い出した。
どきどきした。
「ジュリア・・・どうした?」
アルが訝しいげに私を見てくる。
「なんでもないのっっ!!」
熱い、熱い。
これ、恋ですか?
脳裏にいる彼が頷いた気がした。