どうして泣いたかなんてもう…理由はわかってる…。
わかってるよ…和也…
もっと早くあなたの歌を聞いていれば…私はすぐに会いに行ったのに…。涙が溢れて止まらないのはあなたと離れたからかな…?
もう一度…会いたいょ…
家に着いた瞬間電話がなった。
相手は雄くん…
私は少しふるえる指先でボタンを押した。
「はい…。」
「葉月?家着いた…?」
優しい雄くんの声。
「うん…今…ついたよ。」
雄くんと話してると自然に笑顔になる。
「……。和也のこと、忘れ られない…?」
「えっ!?……ど…して…?」
頭が真っ白になるっていうのはきっとこういうコトだ……
何も頭に入って来ない…次の言葉も思い浮かばない…。
「和也のコトは知ってるよ。葉月の元彼だってこともね。」
「………………。」
「和也と俺は小学生の時からの親友だったんだ…葉月の話もよくしたょ」
色んな事を語り合った二人。
でも、雄にはたった一つ言えないコトがあった。
雄も和也達が付き合い始めた前から葉月が好きだったのだ…
雄は心の奥でひそかに想ってるだけでよかった。
…はずだった…
「お前さ、葉月の事好きだろ?」
和也の急な問いに雄の心臓が音をたてた。
「…はっ?何言ってんだよ。んな訳ないじゃん。」
「俺にばれてないとでも?バレバレだよ、雄。」
「…もし仮にそうだとして、何か変わる訳?」
「変わるよ?もし俺がいなくなったりしたら、お前に葉月をやるよ。
お前ならいい…。」
「…はいはい。」
その時の雄は和也を軽くあしらっていたけど心臓の鼓動は早くなるばかりで…
和也も俺と同じ事想ってたんだ…
お前ならいい…。
二人の想いは同じだった
和也がデビューして少し経った頃、葉月と和也は離れた…。
雄は高3になってから、葉月に近づいて葉月と付き合う事になった。
雄にはつらい日々だった
葉月はまだ自分の親友の事を想ってる…
いくら好きと言われても信じれない…
どれだけ二人が愛しあっていたか知っているから