トントン。
あたしは、2階のゲストルームのドアを叩いた。
しーちゃんと顔を合わせたくなかったのでドアを開けずに、
「しーちゃん、ゆかりさんが朝ごはん作ってくれたよ。
早く、下に来て。」
と、あたしは言った。
ドアごしで、
「今、行く。」
と、しーちゃんが返事した。
ゆかりさんが居てくれたおかげで、なんとか自然な感じで朝食を食べることができた。
でも、昨日のままってわけにはいかないよね。
話すきっかけが・・・。
あっ、誕生日プレゼント渡してきっかけ作ればいいかな。
あたしは自分の部屋に行った。
しーちゃんへのプレゼントを持った時、重さに違和感を感じた。
ラッピングを開けると、真っ赤なハートのネックレスが出てきた。
トントン。
「ちょっと、いいかな?」
しーちゃんの声が、ドアの向こうからした。
「はーい、どうぞ。」
ガチャ。
しーちゃんが、あたしの部屋に入ってきた。
「あのさ・・・。」
「ごめんなさい。
あたしは、しーちゃんこと・・・。」
「待って!
僕はやっぱり、奏ちゃんの事好きなんだ。
でも今まで、年上の女の人としか付き合ったがないから・・・。
正直、自信ないんだ。」
そういうとしーちゃんは、あたしを抱き寄せた。
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