卓球
上面2.74m、幅1.52mの長方形の卓球台の上にまるで相手と自分を分かつかのように張られたネット。その上を通らせて相手の陣地内にボールを叩きつけていくゲーム。
あほらし。
ようはさ、ボールを叩いて相手んとこに叩きつけりゃいいんでしょー。
私はその程度にしか考えていなかった。その考えで今まで勝ってきた。
だけど、そんな考えは簡単に崩壊した。自分でも驚くぐらい脆かった。
アイツに会ったから。
なんで、どうして、それを思うより先に自分の体が床に手をついていた。
自然と涙が出てきた。
最初は復讐だった。そのために鍛え始めた。
でも、アイツと闘ってる時に思ってる感情に気付いてからは変わった。
アイツの隣に居るために、練習を重ねた。
私は…アイツと居たかった。
しかし、それも唐突に終わった。
アイツが…いなくなったのだ。
私は…悲しくなり、落ち込んだ。だが友達もいたし、大丈夫だった。
そんな中学生活の終わりごろ。
あの変人は何をしているのだろうか。
あの卓球バカは今どこにいるのだろうか。
そう思いながら時が流れ、高校へ入学することになった。
でも…私はまた会ってしまった、あの変で何を考えてるか分かんない卓球バカに。
「そんなにバカバカ言うな」
「仕方ないでしょ?バカなんだから」
これは一人の卓球バカのストーリー。
全ての卓球プレイヤーに捧ぐ。
レッツ、ピンポン。