「愛してるよ。結婚しよう」
「ありきたりだろ。それは。」
「やっぱり…。でも、ありきたりというか、シンプルなのがいいんじゃないかな?」
「あぁ。なるほどね。確かにそうかな。」
「でしょ?なら、俺の味噌汁飲んでくれ。ってのは?」
「逆やろ。普通は味噌汁作ってくれ。じゃないの?」
「いや、俺料理好きだから。」
「そういう問題か?」
「時代は変わったんだよ」
「まぁ、いいとは思うけど。それだと、料理はお前が担当することになるぞ。」
「なるほど。でも俺、味噌汁しか作れないから、無理だね。」
「それは困るぞ。味噌汁しか作れないなら、そのプロポーズはやめといた方がいいな。」
「どうして味噌汁しか作れないか理由聞きたい?」
「無視か。いや、どうでもいいや」
「そっか。まぁ、とりあえずこれはやめとこう。」
「聞いてたんだ。なんかその台詞はベタだからな。女の子はそんなに嬉しくないんじゃないかな。」
「ポイントはトキメキかな。」
「まぁ、トキメキじゃない。」
「トキメキって何?」
「ん…。胸キュンだよ。」
「なるほど。」
「こういうのはどうかな?」
「えっ?」
「君を一生守らせて下さい。」
「親衛隊きどりか。」
「はぁ?」
「なんかさ、立場が下じゃない?お姫様と結婚するみたいじゃん。」
「いや、俺は下でいいんだよ。」
「いいんだ。お前がいいなら、いいんだけど。お前格闘技かなんかやってたの?」
「いや、演劇部だから」
「だったら、無理じゃない?」
「何が?」
「守ること。」
「なるほど。」
「だろ?」
「うん。」
「結婚ってなんだろうね?」
「どうかな。きっと、お互いを愛すことなんじゃないのかな?」
「だったら、最初のやつでいいんじゃないかな?」
「なるほど」