あなたへ
いつもあたしを想ってくれていたね。あたしもあなたを想っていたょ。
落ち込んでる時、何かがうまくいかない時、あなたはあたしを励ましてくれたね。
優しいあなたが大好きです。
それでいつもあなたに言いたいコトがあるんだ。
恥ずかしがり屋で消極的なあたしだけど、これだけは言いたい…。
「ありがとう」
中2の春。
クラス替えをして、新しい席に座り、新しい友達も出来、新しいクラスの雰囲気を感じて…。
なにもかもが新しくて新鮮だった。
あたしの名前は、深澤 梨歩(ふかざわ りほ)。性格はどちらかといえば消極的。見た目はカワイイとはいえず、身長はかなり低い。つまりチビ。成績は良い訳ではないが平均くらいはあるだろう。
「ねぇねぇ、この人知ってる?」
早速友達になった後ろの席の里美(さとみ)にクラス名簿に見知らぬ名前を指さして聞く。
「知らないなぁ…。聞いた事なぃ名前だね。もしかして転校生だったりして♪゙」
「ホントにそぅだったらウケるww」
しかしなんと里美の予想は的中していた。
転校生があたしたち2年1組に来るのだと新担任は言った。
始業式。
体育館ではやはり転校生の話で盛り上がった。
声の小さい校歌斉唱、長い校の話、知ってるのに先生紹介…。
退屈な始業式の終盤、担任が体育館から抜けて行く…。
いよいよ転校生の登場である。