『こらー!!早く起きない!!』
もう、朝っぱらからうるさいなぁ。
『こら!!あんたらがエルフの散歩行くがやろ!!』
んー??エルフ??…あっ!!
私は跳ね起きた。隣を見るとちょこんとベッドに座っているエルフ。昨夜、妹が一緒に寝たいと言って寝室に連れ込んだのだ。
かっわいいなぁ〜
『沙莉!!舞!!いい加減にしなさい!!』
バンッ!!
『早く散歩!!』
母が呆れた表情で寝室のドアを勢いよく開けた。
目覚まし時計を見ると7時前。もうすぐ父が帰って来る時間だ。私は急いで着替えて、妹を起こした。
エルフを抱いて一階に下りて、散歩の準備。蛍光の黄色のリードをつけてあげた。エルフは少し嫌がっていたけど、事故に遭うといけないから仕方なかった。
『舞〜まだ〜??』
ドタドタドタドタドタ
妹が猪のように下りてきた。
そして、エルフと初めての散歩。
道に馴れていないのかオロオロしているエルフを、引きずるような感じだった。
辺りは車の通りも少なくて快方的だった。ごくたまに通る車の運転手が、私達の横をゆっくり通っているのに気付いて、いい気になっていた。可愛いでしょって。
散歩から帰り、朝ごはんを食べて学校へ登校。
私はチワワを飼い始めたことを同級生に自慢しまくった。
『えー!!今度遊びに行ってもえい??』
『うちもー!!』
『僕もかまん??』
『えいよー!!!!』
当時、チワワを飼っている人が近くにいなかったから、皆に見せられる!!と、すごくうれしかった。
本当にうれしかった。
本当に…ほんとうに、うれしかったよ。