PiPiPi・・・。
あたしの携帯が鳴った。
「奏ちゃん、電話に出たほうがいいよ。」
そういうとしーちゃんは、あたしを抱き寄せた手を離した。
「もしもし・・・。
福城、何かあった?」
「とりあえず、佐倉の家に来て欲しい。
ゆかりさんに車出してもらって、3人でさ。」
福城はいつになく、動揺している感じだった。
「わかったよ。」
「わけは後で・・・。」
そういう福城は、電話をきった。
「しーちゃん、急いで出掛ける準備して。
福城が動揺してたし、なんかあったみたい。」
「わかった。」
そういうしーちゃんは、あたしの部屋から出ていった。
あたしはワンピースを着て、バッグに携帯と財布と真っ赤なハートのネックレスを入れて部屋を後にした。
ゆかりに車を出してもらって、真紀の家に急いだ。
ゆかりさんは真紀の家の近くの駐車場に車を止めた。
あたしは、そこから走って真紀の家に向かった。
真紀が玄関先で、座って泣いている。
「真紀・・・。」
「かな・・で〜。
兄貴にはさっちをとるって言われるし、みんなから悟さんの事諦めるように説得されちゃって。
あたし、結衣さんに勝てないのかな?」
真紀はそういうと、あたしに抱き着いてきた。
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