生命力

金田七耕助  2007-09-04投稿
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 初夏に六株植えた朝顔の内、五株が枯れた。
 葉が白くスカスカになる、うどん粉病が原因だ。
 これは、病原菌の胞子の粉が風で飛んできて、弱い草木の葉に付着して枯らす病気だ。
 一株だけ枯れなかった朝顔は他とは違い、種が出来ない代わりに、地面と触れた茎やツルから根が出てそこの上に新芽が生えて増える、多年草だ。
 冬も枯れないで、夏になると次々と新芽を出すので、永遠に生きることになる。
 この朝顔は宿根朝顔という名で、これ一本だけで、枯れた他の五本分を取り戻すほどに、葉が十倍大きく、茎も四本に別れ、密林のように増え広がっている。
 今だに茎が伸び続けているので、花はまだ一つも咲いていない。
 伸びるのが止まった時に、一斉に花咲くということらしい。



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