【序章】
それはまだ王国が一つだった頃の話。
その国では新たな王位の継承者となる生命が誕生しようとしていた。
アース王国、国王ギルバード王は王妃が産み落とすその時を待っていた。
そして生まれた双子の男。
誰もが歓喜に満ち溢れた。
だが、喜びの後ギルバード王は我が耳を疑った。
それは王妃の死…。
王妃は自分の命と引き換えに新たな生命を誕生させたのだ。
王国全土が悲しみに包まれている中、ギルバード王は決意を胸に秘め、亡き王妃に誓ったのである。
それこそが双子の王子を立派に育て上げることだった。
そして二人の王子が誕生してからも平和な時代が続き、17年の時が流れた。
これほどにない青年に育った二人の王子はある日、国王ギルバードに王座へと呼び出された。
そして
その日の出来事をきっかけに王国の平和は崩れ落ちていったのである。