愛美は男女の関係性がわからなくなっていた。れんあいしようとすればするほどわけのわからない方向にむかい、いつしか男にくわれるぐらいなら食ってやる!といった気持ちをいだくようになっていた。
相手が体目当てとわかっていても、こちらもそのつもりと思えばつらくなかった。気が付けば何人と寝られるかというのがゲーム感覚になっていた。そしてただでゲームをするのがつまらなくなり、駆け引きや女を売りにできる飲み屋でバイトしてみることにした。
それでもはじめは夜の世界が恐かったので、クラブに併設された喫茶室のカウンターでのバイトに応募してみた。
面接で落とされるのではと不安を抱いていたがあっさり採用されてしまった。一週間ほど働くと、ママにクラブのほうに出てみないかと誘われ、試しにやってみることにした。少し濃いめの化粧も普段着ないような衣裳も年ごろの愛美には楽しくてしかたなかった。そのころの愛美は容姿には自信がなかったが、明るく社交的な性格のせいか、お客さんにはかわいがられた。お金をもらって、異性に可愛がられて、こんな楽しい仕事はないと思った。また成績が競われるところも、愛美の負けず嫌いのせいかくにはうってつけだった。