季節は冬。12月。
エルフがうまれた月だ。
私と妹はもちろんプレゼントを用意する。
2人で少ないこづかいを集めて高級なものを買おうと思っていた。
まずはペットショップに入ってみる。
するとそこには5匹ほど子犬がいた。チワワもいたけどやっぱりエルフの方がずっと可愛い。
犬用の洋服がたくさん売っているコーナーがあったから妹と行ってみた。
『あ、これよくない??』
『………』
値段を見てみるととても小学生と保育園児が買える値段ではなかった。
『やっ、やっっぱり食べ物やね;;』
今まで一度も買ったことがない缶詰を見てみた。何種類もあってどれを買ったらいいのか、エルフはどれが好きなのか、とか色々考えた末、1番売れている缶詰を2つ買うことにした。
『子犬を飼ってるんですか?』
会計の所で店の人に聞かれた。
『え、はい。』
何で聞かれたのか分からずに私は答えた。店の人は『お試し用です。』と言って、一食分のドッグフードをくれた。
でも、犬はいつから成犬でいつから老犬なんだろう。
家に帰るとさっそくエルフの誕生パーティー。
買った缶詰のフタを開けてミニテーブルの上に置いた。その日、兄と父は居なかったから、母と妹と一緒に祝った。妹がエルフを抱いて、部屋の電気を消して歌を歌った。
『ハッピーバースデートゥーユー、ハッピーバースデートゥーユー、ハッピーバースデーディアエルフ〜、ハッピーバースデートゥーユ〜〜〜』
電気をつけてエルフの近くに缶詰を持っていく。エルフは恐る恐る匂いを嗅いで一口食べた。
『あ!!食べた食べた!!』
その後、エルフは完食して、もう残ってないのに缶詰を舐めていた。
今にも雪が降りそうな寒さの中、エルフは誕生日を迎えた。
『次はもっと高いもの買おうや!!』
早くも来年のことを考えていた。