「ドン!」
何が起きたのかわからなかった。
はっと我に帰り、後ろの座席にいる三人娘を振り返った。
天使の顔で眠っている。
はぁ〜よかった。
ぶつかられたんだ!
とりあえず車から降りなきゃ。
「いたっ!」 あまりの突然さに、気付かなかったが足から血がでてる。
え〜! どうしよう
コンコン
窓を叩く音がして、痛みに耐えた顔で見るとそこにはスーツ姿の男が。
窓を開けると
「す、すいません。救急車呼びます!大丈夫ですか?」
「はっはい。お願いします。足を怪我してりみたいなんで・・・」
子供たちもいるのにって、すごくムカついてるんだけど、痛くて怒れないよ。
後で、しっかり文句言うぞ!って思ってるときに衝撃的なことが
「すいません。うちのものが…。大丈夫ですか?」
え〜〜〜!!!!!!!!
声が出ない!
痛みも吹っ飛んだ!
目の前にいたのは、人気モデルの大木瞬くんだった!
「ははははい」
だめだ。うまく口がわまらない。
だって久しぶりに雑誌や、ネットを網羅するほどハマってる方だったから。
ホントにホントに本物! いや。夢だ。幻だ。う・・そ・・
遠くに救急車の音が聞こえた気がした。