霧がはれ、その中から倒れた翔の姿が現れる。辺りには翔が張ったシールドの砕けた破片が散らばっている。
「これで、1人目か・・・後は御前だけ・・・―――」
と、浪が怜の方に目を向けた。
「まだ・・・終わっちゃいねぇぞ・・・!」
倒れている翔が言う。
「んっ?」
すると、砕けたシールドの破片が宙に浮いたのだ。
「・・・!」
そして、凄いスピードで浪に向かって行く。
「なっ・・・。間に合わな・・・―――」
破片は、浪の体中に当り、煙が爆発したかのようにあふれ出す。
「っ・・・―――」
翔から離れた所にいる怜は、翔と浪の居る所を見つめてる。
霧がはれ、倒れていた翔がまた立ち上がった。
「・・・奴は・・・どうなったんだ・・・」
翔が、前を向くとそこには体中傷だらけになった浪が立っていた。
「フッ・・・これくらいの事で、私がやられるなど思ったか・・・?」
「くっ・・・―――」
「これで終わりだ・・・!」
浪が自分の右腕全体を刃に変え、勢いよく振り上げそして、振り下ろした。
「ヤ・・・べッ・・・」
シールドを張る力がない翔は、立ち尽くすことしかできなかった。
「っ・・・―――」
刃が翔に襲いかかる・・・。翔は下を向く。
「大丈夫?翔」
は・・・――−?
翔は顔を上げる。と、そこには浪の姿は見えず怜が立っていた。
「怜・・・?どうして・・・」
「どうしてって・・・『止めを刺せ』って言ったからでしょ?」
「あ・・・そぉだったな」
翔が下を向くとそこには気絶して倒れている浪の姿があった。
「よしっ!早く啓吾達を見つけなきゃ!」
「そぉだな」
怜と翔は走って奥にある大きなドアを開けた。
怜・翔 VS 浪
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