前回。
親友の加恵と
祭りに来ていたナミリ…
女二人で花火を見ている事に
なんとなく寂しく感じるが
男の気配は無く…そこで
加恵の友だち、拓未が
お化けとして登場する…
「うおーっ!!!!!」
誰かの声に加恵もナミリも振り向く。
「…大丈夫ですか?」
「拓未!?」
「あっ…………。よお…」
「よぉって…………大丈夫?」
加恵が拓未を起こす。
加恵が心配してくれている
にも関わらず、拓未はナミリを呼ぶ。
「ねぇねぇ…!」
でも、ナミリは気安く
話し掛けられる事に
少し腹が立った。
加恵を置いて
お化け屋敷を出ていってしまった…。
一週間後−。
あれからナミリは
加恵に何度も謝った。
「別にいいんだよ…?…気にしないデ!」
その夜−…。
お風呂から上がったあと
ケータイを確認すると…
新着メールが1件あった。
知らないアドレス………
『こんばんは(^O^)/拓未だよ
覚えてる…?
前、祭りのお化け屋敷で…』
ナミリの心臓がドクッと鳴った。
拓未の事をどう思ってるかなんて、
自分でも分からなかった。
とりあえず加恵に確かめて
みることにした。
その手は、なんとなく
震えていたけど。
メールの返信は
すぐに来た。
『ごめん……怒ってる…?
でも、花火見てた時の
ナミリの顔知ってたんだよ?
だから…頑張って!』
頑張って………………?
好きなんて一言も言ってないのに。
どうしよう…?
『覚えてるよ』
ナミリは素っ気なく
返信をした。
これが精一杯だった。
朝、目覚めてから
ナミリは一点を見つめていた。
自分の気持ちが分からないから。
恋…?
その言葉とこの気持ちが
なんとなく一致してるような…
でも本気の恋はしたくなかった。
それにはナミリ自身に
一つの理由があった。