山田さんは苦笑いしながら
「僕がここにいることが、そんなに驚くこと?」
と、言った。
「悟はまだ、寝てるかと思ってさ。」
カズマさんも苦笑した。
「僕がワイン3本で、泥酔すると思う?」
「演技だって知ってたけど、まだ起きてこないと思ってたから・・・。」
「あの・・・。
山田さん、真紀ちゃんとは付き合ってもらえないんでしょうか?」
しーちゃんが真剣な顔で、山田さんに聞いた。
「真紀ちゃんと、付き合うことはしないよ。
誰かを全力で愛したり、誰かに全力で愛されたり・・・。
そういうの、もうしたくないんだ。
気楽にキスして抱き合って、どちらかが飽きたら別れる。
そういう付き合いができる相手じゃあないと、僕は付き合うことはできない・・・。」
山田さんも、真剣に答えた。
「それって、真紀は山田さんのこと諦めるしかないってことなんですか?」
あたしは、山田さんを責めるように言った。
「じゃあ奏ちゃんは付き合う相手を、幸せにしてあげられなくても付き合うのかな?」
「それは・・・。」
山田さんの質問に、何も答えられなくなった。
山田さんは正しいけど、真紀のことを考えると胸が苦しくなった。
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