「…なんでだろうねぇ」
祖母は困った表情のまま呟いた。
「なんでお母さんに掟だけ教えたの?」
麻里は祖母の呟きを聞いてもどかしくなった。
「…それはね、麻里」
祖母は悲しそうな顔で答えた。
「言えないんだよ」
「なんで掟は教えられて理由は教えられないの?おかしいよ…」
麻里は今にも泣きそうな顔で言った。
「なんでそんなに知りたいんだい?」
祖母は麻里に刺激を与えぬ様に優しく聞いた。
「外に出て色んな所へ行きたいの」
麻里は気を落ち着かせて言った。
「麻里ももう14歳だから当然か。でもごめんね、無理なんだよ」
「どうしても?」
「ごめんね…」