LASTSUMMER#17 『勝負の終盤』

SETTARMEN  2007-09-12投稿
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【6回表1死2塁】


打席には南からヒットを放っている滝本。


ケイタ『ピッチへばってるよ〜。ここで決めよう』



初球。


ズバッ!!




『ストライーク!!』



外のストレートをゆっくりと見逃した。



この状況ではどう考えても南の方が窮地だ。



第二球。




『ボール』




高めに球が浮く。




三球目もおなじような球だった。



伊野波『寿人!ここ踏ん張れ!!』



朝山中ナインからも次々に声が飛ぶ。




カウント1-3からの四球目。



カキーン!!!



緩い変化球を捉らえた打球は右方向へ!!!


!!!


ボフッ!!



一塁線をワンバウンドした打球は一塁手、中西が胸で勢いを殺した。



太った中西はその大きな体で滝本の打球を阻んだのだった。



地面に落ちたボールを拾いあげベースカバーに入った南にトスした。



ほぼ同じタイミングで滝本がベースへ駆け抜ける。



アウトか?セーフか?



『アウトっ!!』




微妙なタイミングだったが、南のベースカバーが一瞬速かったようだった…



これで2アウト。



さっきのプレイでアキは三塁へ進塁していた。



2アウト3塁。



差は1点。



勝敗はこの男に託される。



4番村上拓哉。



右打席にゆっくりと入ったタクはバットを大きく構えた。



南も息をフゥーっとつき、振りかぶった。




誰もが息を飲む勝負は初球の一瞬だった。




ビュン!!




カキ→→→→ン!!!



何とも言えない快音を残した打球は高々と青空に上がった。




レフトが下がる。




ガサッ。




フェンスの奥の林にボールは消えていった…


逆転の2ランホームランだった…

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