殺し合いごっこ‐LAST CHAPTER‐38

龍角  2007-09-13投稿
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訓練開始から三日目の朝を向かえた。


森の中を幾ら進めど手掛かりは0。

あるのは鬱蒼と生い茂る木々の緑とオニの朽ち果てた死骸、廃墟だけ。
そして無線も依然繋がらないままだ。

このまま闇雲に捜しても無駄なので勇はゴール地点である小田原へと向かう事にした。

もしかしたら…理性を取り戻し、一人で小田原へと向かっているかもしれない…

そう思いながら。



熱海の監視施設の襲撃のニュースは直ぐに倒鬼衆本部と小田原支部、軍に伝わり、小田原の一歩手前である湯河原町ではオニの群れに対する大規模な掃討作戦が行われていた。

倒鬼衆からは隼と陽介が湯河原でオニ達と戦い、
弘毅と愛が勇、佳奈美を救助する為に伊豆へと向かっていた。



「もしもーし。」
「ザーザー…」

愛は佳奈美の無線に連絡を取るが聞こえて来るのは砂嵐の音だけだ。

「ヒロちゃん。勇クンの無線は?」
「駄目だ…反応が無い。」

弘毅はGPSの画面を覗き込んだ。

勇を示す点は確認出来るが佳奈美の反応は無い。

「なんでカナちゃんだけ反応が無いの…まさか…」

愛の顔に不安の色が広がる。

「…まだそうと決まった訳じゃないだろ?
故障したりして反応が無いだけかもしれないし、
それに何より…
勇がいるんだ…
とにかく今は勇を見つけ出して合流するぞ。

愛は黙って頷いた。



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