博士「やった!これはすごいぞ!!」博士の歓喜に満ちた叫びが研究室をこだまする。
助手「博士何がやったんですか?」まだ眠そうにしている助手が奥の部屋から出てきながらつぶやく、いささか期待などしていないようだ。
博士「やったぞ! 次元の歪みに圧力と分子、それに超電圧をかけることによって光の速度を超える事に成功した!」
助手「つまり?」
博士「これは自由に時間を操作出来るいわばタイムマシーンだよ!」
助手「すごい!博士いつのまにこんな研究を!?」
博士「いや実は研究用の機械でカップラーメンを作ろうとしたら急に消えてしまったのだよ、初めは熱で消滅してしまったのかと思ったのだが大変な事な事が起こったのだよ。20分後急にホカホカのラーメンがこの機械の中に現れたのだよ!」
助手「経過はどうあれこれはすごい発明ですね!」
博士「ノーベル賞は間違いないだろう。さらに実験を重ねなくては」
そんな二人の会話をよそに機械の中に新たにしょうゆラーメンが出て来る。
助手「博士これはどういう事です?」
博士「恐らく未来の私が実験の為に転送したのであろう。」
助手「なるほど!ではさっそく実用化に向けて研究を続けましょう!」
それから3年の月日が経ちついに機械は完成した。
助手「ついにやりましたね博士!この素晴らしい日を記念して1番最初に僕を転送して下さい!」
博士「よかろう君は長い間私の研究に尽くしてくれた。そのお礼だ!来週の記者会見の時に君を10分後の世界に送ろうじゃないか!」
当日、前代未聞の発明の発表ともあり全世界から注目が集まった。沢山のカメラの前で博士は緊張しつつも機械のダイアルを10分後にセットし助手を機械の中に入れた。
助手「それではみなさん10分後にまたお会いしましょう!」
博士がその言葉と同時にスイッチを押すと助手は消えてしまった。世界中の人がかたずを飲んで見守る中機械のうなる音と共に現れたのは助手の姿ではなくホカホカのしょうゆラーメンである。
博士「なんてこった!これはただのタイムマシーンではなく物質をラーメンに変えて転送する機械なのか!!」
博士は助手殺しの罪で捕まってしまう。それから博士が日の光を浴びる日は人口が爆発的に増え世界的な食料不足になるその時だが、それは遠い遠い未来の話しである。