タクシーに乗って行き先を告げたら、だいぶ酔っているらしく俺からではなく向こうからキスを求めてきた。
ちょっと予想してなかった攻撃に俺は、とまどった。
その後、弘美はあっという間に寝てしまった。
タクシーを降りてからの道順がわからないので弘美を起こしたが起きない。
仕方なくタクシーを降りて、とりあえず俺は弘美をおぶった。
少しすると寝ぼけながらも話できるようになったので、おぶったまま歩いて行った。
家の場所を聞きながら向かう途中、俺の首筋に流れる液体が・・・。
降ろすに降ろせずそのままおぶったままアパートまで連れていった。
下駄箱も共同でトイレも共同の古いアパートで驚いた。
今時にしては、めずらしいアパートだ。
部屋に着くと弘美は我に返ったのか、目が覚めていた。
俺の姿をみて驚いて目をパチクリさせている。
スーツが汚物で汚れている。
少し時間をたってから自分のした出来事に気付いたのだろう。
一生懸命謝りだした。
それも束の間、トイレに駆け込んだ。
一人取り残された俺は、とりあえず汚れたスーツとワイシャツを脱いで、上半身裸になった。
弘美が戻ってこないので俺は、いかにも女の子らしい部屋を眺めていた。
しばらくして弘美が、酔いが醒めたような顔をして戻ってきた。
そして、一瞬裸の俺に驚いていたが、すぐに脱ぎ捨ててあった俺の衣服を見つけ洗い出した。
その姿が何故か、俺はかわいく見えた。
弘美が下のズボンも脱げというので俺はその場でパンツ一丁になった。
匂いを嗅ぎながら中々匂いが落ちないみたく、一生懸命洗っていた。
トレーナーを借りて俺はその姿をだまって見ていた。
いつの間にか俺は、そのまま眠ってしまった。
ふと目がさめると隣でくっついて寝ている弘美がいる。
そのまま二人は自然に男と女の関係に・・。
終ってから気付いたことだけど隣からのテレビの音がよく聞こえる。
壁が薄いのだ。
音が丸聞こえだから隣の住人には刺激的だったかもしれない。
弘美はまだ美容師の卵だ。
給料は安い。
ホストの客として扱うには無理がある。
俺は、このアパートにたまに遊びにきては泊まっていく。
幸い美容院のお金はかからなかった。
髪を切る技術はなかなかのものだ。
この頃になると、弘美は俺のことをだいぶ惹かれていると感じていた。