ある日紀美は私を呼び出した。
紀美とはぬれぎぬをきせられてから、そしてライバルとなってから話していなかった。
紀美は「前にぬれぎぬきせたこと謝ってなかったよね。あの時はゴメン！」と謝ってきた。
私はどうして今頃謝ってるのか分らなかった。
だから私は「何で今さら…あの時謝ってくれたらよかったやん！」少し涙がでそうになった。それでも必死にこらえた。
あのせいで…私は人を信じれなくなった。
信じてた友達は私を信じてくれなかったことがどれほど悲しかったか…。
あの時のことを思い出すと胸が苦しくてたまらなかった。
だから、紀美があの時謝ってくれたら少しは救われると思った。
だけど紀美は謝らなかった。だから余計に悔しくてたまらなかった。
なのにどうして今頃！
私は怒りで肩が震えて、手のひらに力が入った。
紀美は「あの時は本当にごめんっっっ！
今さら遅いって分ってるけど…けじめをつけたいねん！」
紀美は頭を下げた。
私はその言葉にムカついた。
「何のけじめ？自分勝手やな！」
怒りが押さえれず私は怒鳴った。
「由良が、羨ましかった。いつも周りに人がいて、笑っていて。」
私はあっけにとられた。だって紀美の周りのほうが人が集まって信頼されていたから。
「何言ってるん？紀美のほうがいつも人がいたやん。」
私はさっきと口調を変えずに言った。
「人はいても、皆いつも由良の話しばっかりやった。皆楽しそうで…。」
紀美の声は震えてた。
「だから？それだけのことで、私を犯人扱いしたん？」
あの頃の寂しさは今も続いてるのに。
そう思うと私は怒りを通り越しむなしくなった。
紀美は声を荒げた。
「それだけじゃない！由良は健太のことが好きやろ？」
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