リリちゃんの家に行ってから、一週間が過ぎた。
「タカシぃ!今日の夕方。時間開けとけよ。付き合って欲しい所あんだよ。」
「ああ。わかった!」
授業が終わり、放課後。校舎裏に向かった。
校舎裏にサトシはまだ来ていないようだった。
『あれから、一週間ぐらい立つのかぁ。もう一度会えたらなぁ』
リリちゃんの、家に行けば会えるかもしれない。でも、リリちゃんには、一目惚れの相手が、おねぇさんだとバレてるので、恥ずかしいという気持ちもあり行けずにいた。サトシに話しをすれば、よいのだろうが、あいつに話すのも、気が進まなかった。
「…行くから。じゃ、また。」サトシが、電話しながら歩いてきた。
「タぁカシぃ!待ったぁ?」
「何だよ!そのテンション」
サトシは、ニコニコしながら、ヘルメットを渡した。
「えぇ!」あのヘルメットだった…『俺です!』
「これタカシ用だからさ♪」
最悪だと思いながら、深々とメットを被った。
「よし!行こうぜ」
『このメットであまり人前出たくないのに…』俺は、やっぱりこのメットは嫌だった。
「何処行くんだよ?」
「内緒♪」と言いながら、サトシがバイクを走らせた。