バイクで辿り着いた場所は、あの公園だった。
「タカシぃ。俺達何年の付き合いになる?」
サトシは、真面目な顔をして聞いてくる。
「お前が、小学生の頃転校して来てからだから、もう7、8年くらいかな?いきなりどうした?」
「俺。転校して来て、初めての友達がタカシだった。転校して来た頃は、自己主張が下手で、イジメられてたよな。でも、そのイジメから救ってくれたのがタカシ。お前だった。それから、毎日遊ぶ様になって、悪さも一杯したよな?覚えてるか。学校放火事件?」
「あはは、あの虫眼鏡で光集めて、プリント燃やして、カーテンに火が着いた…」
小学生の頃理科の授業で、虫眼鏡を使った時があった。太陽の熱を一点に集めると、火が起きるという実験だった。サトシと俺は、その虫眼鏡を持ち帰り、教室でプリントを黒く塗り潰し、煙りを起こして遊んでた。だんだんエスカレートし、気がつくと、プリントが燃えカーテンに燃え移ってしまった。幸い教師がすぐに駆け付け大事には至らなかった。
「その後、俺達の親が呼ばれ、俺のかぁちゃん、タカシの親父さん学校来たじゃん。うちのかぁちゃんは、ただ泣いていて、タカシの親父さんは、凄い形相で、タカシをぶん殴ったよな」
「あぁ〜。あの時初めて人って飛べるんだと思ったよ!」
「ははは。たしかに、飛んでたな。中学に入ってからも、タバコ、他の中学とのケンカ…その度、うちはかぁちゃん、タカシは親父さん呼ばれてさ。俺親父いないからさ、タカシがうらやましかった。」
サトシの家は、親の離婚で父親が居なかった。